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「契約社員の『無期契約社員≒正の社員化』を義務付け?」

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「契約社員の『無期契約社員≒正の社員化』を義務付け?」

労働契約法を改正する法律が8月10日に成立し、最大のテーマである、契約社員の無期契約への転換制度が平成25年4月1日から実施されることがほぼ決まりました

 

どのようなことかというと、期間雇用社員(有期契約社員)が、通算して、同一の雇用主に5年間勤務し6年目の更新が行われ、その6年目の期間中に、その契約社員が無期契約社員への転換を希望したら、会社はそれを了承したことになる、というものです。会社がそれを望まなくてもです。

 

企業経営者にとって一番気になるのは、

 

6年目からは(必ず)正社員にしなくてはいけないのか?
既に5年以上働いている今いる契約社員はいつから無期契約に転換されるのか?
何か例外措置はないのか?

 

ということでしょう。

 

法律の趣旨は、
1.有期契約社員から無期契約社員に変わることが原則です。
従って、契約期間以外の労働条件、例えば、給料、出勤日数については今までと同じでも構いません。自動的にかつ強制的に正社員になってしまうことではありません。

 

2.この5年間の1年目は、平成25年4月1日以降に更新または新規の契約です。
それ以前の勤続期間は、5年間に算入しません。従って、最速で無期契約への転換の実例が出てくるのは、平成30年4月1日です。

 

3.通算して、5年以上勤めても無期契約社員に転換されないケースがあります。
これは、1つの契約期間が終了した後、6ヵ月以上の期間を空けて、再度契約した場合です。この場合、再契約が1年目となり、前の契約期間は、5年に算入されません。
5年目の契約終了後と6年目の契約更新の間に6ヵ月以上の空白期間があっても同じです。この場合は、過去5年間の期間は算入されません。ただし、意図的に空白期間を作ることは、この法律の趣旨に反します。

 

4.社員が希望することが無期契約への転換の条件です。
5年間の契約更新の際に6ヵ月以上の空白期間がなく6年目の契約を更新した場合でも、社員自身が希望しなければ、(何も言ってこなければ)無期契約への転換は行われません。

 

では、会社としては今、どのような準備をしておくべきでしょうか?

 

1. 前もって規定を整備しておく
5年後には、有期契約社員でもなく、正社員でもない、無期契約社員という新しいカテゴリーの社員が出てくるということです。
もし、御社に、この区分の社員の取扱がないときは、就業規則などで、取扱を決めておく必要があります。例えば、賞与、退職金の対象とするかしないか、定年年齢を決めるのか決めないのか、職種や勤務地限定をするのかどうかなどの諸条件です。何も決めていないと、最悪の場合は、無期契約社員は正社員と同じだから、ボーナスや退職金の対象となるといって請求されてしまう危険性があります。いらぬトラブルを防止するためにも、規程を作っておくことは大事です。

 

2.無期契約社員を作りたくない場合
無期契約社員のカテゴリーを作りたくないと、会社が考えるときは、契約当初から、またはこの改正法の施行日以降の契約更新以後は、契約は更新しても、「在籍期間は最大で5年間まで」と決めてしまうことも一考です。会社に残って欲しいと思うようなよい人材がいたら、6ヵ月間のクーリング期間を使うなどして、再度期間雇用契約を結ぶか、事情が許せば、早めに正社員に登用しても良いかも知れません。

 

3.そもそもの法律改正の趣旨
この法律改正は、期間雇用契約社員が、6年目以降も働けるのかどうかはっきりしない状態のまま、契約を更新し、都合5年間勤務し、契約期間終了間際に更新しないといわれて失業してしまうことが、労働者の生活の安定に多大な悪影響を及ぼすことから、これを予防することも目的の一つとしています。従って、予め、5年以上は雇用しないことについて合理的な理由があって、会社と社員の間で合意ができていれば、5年で雇用を終了させたとしても、原則的には、この法律に違反することにはなりません。

 

これから施行日までの間に、政省令や通達が出て来ると思われますので、詳細判明いたしましたらまたこのコラムでご紹介します。

 

山本 臣治 / 山本社会保険労務士&FP事務所

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