補助金をもらうために必要なこと
補助金は申請すれば必ずもらえるものではありません。
特に経済産業省関連の補助金は競争率の高いものが多く、申請書が厳しく審査されるため補助金の採択率は低めです。
例えば、ものづくり補助金の採択率は年度により異なりますが、30〜50%の幅の範囲です。
採択率が1割程度の時もありました。そのため、高い品質の申請内容とすることが必須となります。
しかし「高い品質」というのはどうやって判断されるのでしょうか。そのポイントは以下の三点です。
@ 制度の趣旨に合っているかどうか(制度趣旨)
A 補助金事業の効果が充分に高いか(事業性)
B 補助金事業が本当に実現できるか(実現性)
@ 制度趣旨
制度趣旨とは、簡単に言えば補助金をくれる理由であり、趣旨に合わない申請書は即却下されます。例えば平成30年度補正ものづくり補助金では次のような制度の趣旨が発表されました。
「足腰の強い経済を構築するため、日本経済の屋台骨である中小企業・小規模事業者等が取り組む生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等の一部を支援します。」
この目的に合った事業計画をつくり申請書にわかりやすく記載することが重要です。逆に言えば、制度趣旨にそぐわない申請書はどれほど内容が良くても不採用になります。
A 事業性
事業性とは、簡単に言えば商品・サービスが妥当なコストや納期や品質で作れて、売れて、儲かることです。しかし、今まで多くの申請書を見てきましたが、販売計画や利益計画がしっかりと記載されている申請書は極めてまれです。
大体は大雑把な市場調査やありきたりな販売方法(ホームページへの掲載や展示会への出展など)を述べて適当な数字合わせをしているだけです。
逆に言えば、この事業計画をしっかりと練り上げることで採択される可能性が飛躍的に増大します。
B 実現性
実現性とは、そのままの意味で、本当にこの事業が実現可能なのかどうかということです。簡単に言えば、申請者の商品・サービスが作れるのか、そして買ってくれるお客がいるのか、ということです。
「客がいる」という非常に簡単で効果的な証明方法は、いままでその商品・サービスを売ったという実績を示すことです。つまり、実際に販売したビジネスの経験があれば非常に有利となります。
もちろん、実績がなくても、「これは作れるし、売れるだろう」と十分に思わせることができれば採択される可能性は高まりますが、通常その証明は非常に困難です。
今まで色々と述べてきましたが、制度趣旨に合致することは必要条件であり、事業性や実現性を満たすことは十分条件と言えるでしょう。
これらの条件を満たすことが採択される申請書を作成することといえます。
著者
座間 正信 / 株式会社アイピーアトモス
企業の強み、市場の機会、アイデアに関する特許情報、市場における類似商品、今後の成長分野など幅広い視点から儲かる商品開発のアドバイス