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「本来あるべき姿」を考える

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「本来あるべき姿」を考える

私達は、課題や問題点を認識する場合、何をもとに判断しているのでしょうか。
それは、自分の持っているイメージや数値などの価値基準と現実との違いを認識して、その差異が大きいと判断したときにアクション(行動)が起きるのではないでしょうか。

 

また、経営活動を考えた場合には、計画(Plan)−実施(Do)−評価(Check)−アクション(Action)の管理サイクルをまわすことではないではないでしょうか。
つまり、計画を立案することが価値基準であり、現実との違いが評価となるわけです。
しかし、日常の業務に忙殺されてしまうとそのことを忘れてしまうことになりやすいものです。

 

ある設備装置メーカーでの出来事を紹介したいと思います。

 

そのメーカーの社長さんは、創業者であり、現場で自分で製品を作ってきて、120名ほどの社員と海外に5箇所の拠点を持つ会社に育て上げました。
ある日、社長さんが、工場を巡回しているときに、装置の主要部品の一つの単価を知って、「こんな高いはずがない。すぐに見直すように。」という指示を出しました。

 

この部品は、サイズが1200o×900o×20o程度の鋼板で、社内に製作する設備機械を持っていませんでした。
このため、取引先に依頼していました。つまり、外注加工品です。
早速、資材部門の方が、取引先を呼んで価格交渉ををはじめ、さらに現在の取引先以外の会社に見積もり依頼をしました。
しかし、その結果は、少しだけ単価が下がっただけでした。

 

このため、この会社の経営企画室の方から、弊社の見積ソフトを活用して標準的な単価を算出して、現在の単価が妥当であるかを確認しようと考えたのです。

 

見積ソフトで算出したところ、従来の単価の6割程度の金額になりました。少々驚かれていたのですが、何故その金額で作れるのかがわかりませんでした。
そして、その会社の方から、弊社の見積ソフトの金額で購入できるような会社はあるのか、もしあるのであれば紹介をして欲しいという依頼を受けました。

 

弊社でも、実際に製作できるであろう会社2社ほどに見積をお願いしまして、入手しました。
1社は、現在の設備装置メーカーで購入されている単価より若干安価な金額で、もう1社は従来単価の7割強でした。
つまり、安価な金額を提示した会社は、見積ソフトの金額の1割アップ程度の見積金額ということになります。したがって、設備装置メーカーの方には、後者の会社を紹介させていただき、取引に至りました。

 

何故、このような成功結果(30%ものコストダウン)が生じたのでしょうか。

 

結論から申し上げると、この部品は、どのような工程を経て作るべきかということがわかっているようで、わかっていなかったのです。
この部品は、定尺材からのカットして、平面研削で平面度を出してから、マシニングセンタで加工し、メッキ処理をする工程です。
これらの工程を社内で進められるか、近隣の企業同士でまとめることが出来れば、弊社で紹介いたしました会社の見積金額に近い回答を得ることができるでしょう。
しかし、従来の見積依頼をした会社では、社内で定尺材からのカットをする設備を持っていないため、外部に依頼をしていました。
また、メッキ処理をするにあたっては、品物が大きいために処理できる会社が近隣になく、遠方のメッキ会社に依頼していたのです。
この結果は、発注数量が少ないうえに、品物を移動するための運賃が増加し、運賃も見積もり金額に反映されてきたのです。

 

このように本来どのように作るかを考えたならば、必要以外に発生する金額も見えてくるようになり、適切な取引先を捜すことができるようになるのではないでしょうか。
つまり、実践的なコストダウンのためには「本来あるべき姿」との比較が必要になるのです。

 

 

間館 正義 / 日本コストプランニング
コストテーブルを活用した原価の見積、原価管理、MRPUをベースとした生産管理システムによるコストダウン・コンサルティングを中心に活動しています。

 

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