リスクリバーサルを採用する際の注意点

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リスクリバーサルを採用する際の注意点

リスクリバーサル(顧客の購買前の不安を反転させること)を自社のビジネスへうまく取り入れることができれば、成約率をアップさせることが期待できます。 注意点は「自社で引き受けなければならないリスクをコントロールできるか」です。 例えば、学習教材を「想定した内容と違った場合、1週間以内なら返品可」というリスクリバーサルをつけて、通販で販売したとします。 このリスクリバーサル(もちろん製品の良さも)をアピールし、数多く販売できました。

市場分析の2つの軸

リスクリバーサル(顧客の購買前の不安を反転させること)を自社のビジネスへうまく取り入れることができれば、成約率をアップさせることが期待できます。

 

注意点は「自社で引き受けなければならないリスクをコントロールできるか」です。

 

例えば、学習教材を「想定した内容と違った場合、1週間以内なら返品可」というリスクリバーサルをつけて、通販で販売したとします。
このリスクリバーサル(もちろん製品の良さも)をアピールし、数多く販売できました。

 

いくつか返品されたとしても、検品し、改めて包装し直せば、新品として販売できます。
多少の再包装コストがかかっても、リスクリバーサルの効果で数多く販売できたので、これなら問題ありません。

 

このように、改めて販売可能な標準品はいいですが、顧客毎に仕様が変わる受注製品は向きません。
受注製品が戻ってきたら、次の顧客の仕様に変えるために大きなコストがかかってしまいます。
このように、戻ってきた製品を、そのまま再び売ることが難しいものは向きません。

 

ライザップのような人的サービスは向いています。
「30日以内なら返金可」というリスクリバーサルに基づいて返金したとしても、人的サービスなので材料の損失はなく、サービスを提供した人件費の損失のみで済みます。

 

人件費の損失のみであれば、このリスクリバーサルは、数十万の会員費を払う際、お客に生じた迷いに対し、契約に向けてお客の背中を押してくれるので、充分ペイします。

 

それと、「あとから取返しがつかないもの」はリスクリバーサルを付けても効果はありません。
例えば「今回は〇〇医師の初手術なので特価〇円。万が一手術が失敗したら全額返金可。」と言われて、手術を受ける人はいないでしょう。

 

まとめですが、リスクリバーサルは「お客が何をリスクと感じているか」を把握し、そのリスク要因を取り除くことです。リスク要因は必ずしもお金だけとは限りません。

 

例えば、充分な説明が必要なサービス商品の場合、「無料相談実施」というのがあります。
無料相談はお金を払わないので、リスクリバーサルは不要と思うかもしれません。
しかし、この場合のお客のリスクは「相談は無料でも、後からしつこく営業されたらいや」です。

 

よって、「無料相談後に、当社から契約を迫ることも営業することもありません」とリスクリバーサルを設定すれば、無料相談に応じる人は増加するでしょう。

 

 

米澤 裕一

米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。

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