成約率を高める「リスクリバーサル」の種類

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成約率を高める「リスクリバーサル」の種類

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成約率を高める「リスクリバーサル」の種類

 

前回の記事でも書きましたが、
リスクリバーサル(不安の反転)を自社のビジネスへうまく取り入れることができれば、成約率をアップさせ、顧客満足度を高める効果も期待できます。

 

顧客が購買を決める前には、どんな商品やサービスに対してでも、必ず商品への期待(購入を後押しする力)と相反する不安(購買を妨げる力)の2つが働きます

 

行動経済学でも証明されていますが、人間は、「得することを選ぶ」より、「損することを避けたがる」性質があるので、損しそうな不安が大きければ大きいほど、購買を躊躇することになり、なかなか購買に踏み切れません。

 

その不安をなくす(あるいは軽減する)リスクリバーサルには、以下のようなものがあります。

 

1.返金保証
2.返品保証
3.成果保証
4.修正保証
5.修理保証

 

それぞれの例としては、

 

1はライザップの「30日間返金制度」など、サービスに不満があれば返金するというようなもの。

 

2は「購入後〇日間なら返品可能」というような商品に不満があれば返品を受け付けるもの。

 

3は「〇〇試験に合格するまで追加費用なしで支援する」など、効果が出るまで無料でサービスを継続するというようなもの。

 

4は美容院などで「気に入らない場合、無料で修正可」というような、サービスがイメージと違った場合は、一定期間内で修正を受け付けるもの。

 

5は家電販売などの「長期無料保証」のように、商品が故障した場合、無償で修理受付するなどです。

 

いずれもポイントは「絞り込み」です。
リスクリバーサルは、顧客の購買リスクの一部を「販売側が引き受ける」ため、絞り込んだターゲットに向けて、絞り込んだ商品・サービスの品質を高めた上でやらないと、販売側のリスクが大きくなります。

 

以上のように、リスクリバーサルは、うまく運営できれば、購買に関する顧客の不安(リスク)を肩代わり(あるいは軽減)できるため、顧客の購買を後押しすることができます。

 

一方、リスクリバーサルを採用する際の留意点として、以下のようなものがあります。

 

1.返金条件をしっかり明記しないとトラブルのもとになる。
2.保証を当て込んだ、本気度が低い客(冷やかし客)が増える可能性がある。
3.どこでもやっているありきたりな保証内容だと効果が弱い。

 

更に、リスクリバーサルは全ての商品・サービスに向いているわけではありません

 

次回は、リスクリバーサルが向くビジネス、向かないビジネスを解説します。

 

 

米澤 裕一

米澤 裕一 / 合同会社バリューアップ
経営コンサルタントとして独立後、1年目でものづくり補助金で90%の採択実績を残す。勝てる土俵で顧客提供価値を高め、補助金を活用した資金調達やボトルネックの改善によって、200社以上の利益改善に貢献。

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