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有事のルール−まとめ/その13「迫りくる法改正の荒波−8」

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【経営】有事のルール−まとめ/その13
「迫りくる法改正の荒波−8」 大量の転職者増で潤ったのは誰か?

●特区(福岡)での限定的、実験的なガイドラインとは云え、この雇用指針が打ち出された背景には、長期雇用を前提としない外部労働市場型の雇用風土を醸成したい、という財界(労働政策審議会メンバー)の根強い意向が働いているのは明らかです。
「多様な正社員を労使双方にとって望ましい形で普及させる」事−をスローガンに掲げた「日本再興戦略会議」で検討の上、発表されたとされるホワイトカラー・エグゼンプション=W・E(一般的には残業代ゼロと理解されている仕組み)はその併せ技の一つと云ってよいでしょう。

 

●因みに、再興戦略会議の有識者=学者10名で構成=の言によれば、このW・E発表には端折りがあり、それに因り誤解を招いているとの事。
元々の素案は−
@内外の事情変化に伴い、一律の労働時間規制になじまない働き方や仕事分野が増えている実情に応じ、新しい労働時間制度を作る
A長時間労働がもたらす心身不調者の増加や生産性低下を防ぐ為、労働時間の量的上限=月間残業上限80H=規制を行なう
B長時間労働抑制策として、労働者の健康維持確保に実効性のある休日・休暇取得の強制的取り組み(週休2日×52週+有給休暇20日=年間124日の、いわゆる124日規制)を強化する---
の3つの改革を標榜するもので、それを個別に議論していては労使間の利害調整が整わない為、これらを三位一体で推進する必要がある−というのがその骨子であり、従って「W・E」は、この3つの改革を前提とする労働時間の新たな適用除外制度として、次の段階で登場する予定だった−のだそうですが、政治的介入により「残業代ゼロ」の流れになってしまったのだとか?

 

●確かにこの改革案は、学者的な客観分析と良心に基づく提言であったのかも知れませんが、傍から見れば、政・財・官界の思惑が交錯する場に参加する以上、適当に利用された挙句、御用学者呼ばわりされ、非難の矢面に立たされるのは端から承知の上だった筈−。仮に、メンバーに名を連ねた瞬間から、中立的見解も立場も失われる、という認識が不足していたにせよ、それを言い訳にはして欲しくないものです。

 

●百歩譲って、W・E問題は学者の、世間知らずの一途さが招いた予期せぬ展開だったとしても、尤もらしい権威で装われた諮問会議の胡散臭さが払拭される訳ではありません。
例えば、恰も学者風、第三者風の言説を唱えていたのは、自らが深く関わる業界に公的資金を引き込む暗渠造りをカムフラージュする為だったのではないか−という疑惑が、一部メディアで取り沙汰されている主要メンバーさえいるからです。

 

当の人物が関係しているのは、「事業規模の縮小等により離職を余儀なくされる労働者等、に対する再就職支援を職業紹介事業者に委託したり、求職活動の為の休暇を付与する事業主に助成金=労働移動支援助成金の事=を支給する」という厚労省の広報にある事業者、つまり代表的な人材関連会社−労組から最も反感を買っている企業の一つ−であり、自身でも「日本の正社員は守られ過ぎ」と公言している程なのです。

 

●助成金実務に触れた経験のある方なら、恐らくピンと来る筈です。
この3月、前年度比150倍の予算枠、支給額で5割増、成否によらず転職先探しを再就職支援会社に依頼しただけで一人10万円など、支給要件も大幅緩和、というより寧ろ、途方もない大盤振る舞いとなったこの助成金は、労組ならずとも「間接的リストラ支援策」ではないか−と指摘する声も聞かれる程、少なからぬ反発を招いているシロモノなのです。

 

●実際、大量の転職者増で潤ったのは誰か?
この助成金の恩恵を享受するのは、一体誰なのか?

 

報道が正鵠を射ているなら、これ程判り易い「我田引水」の構図はないのではないでしょうか。
上述の各絵柄から垣間見えるのは、国の政策さえ商売道具に使おうとする、胡乱で度し難い程志の低い会議構成員の実像であり、無色透明な装いを凝らしながら私達の前に立ち現れる様々な施策が、実は、限りなくブラックに近いグレーゾーンにあるのかも知れない−という事なのです。

 

 

有事のルール−まとめ/その13「迫り来る法改正の荒波−8」

 

著者/

夏目 雅志  / 三友企業サービスグループ

常に決断を迫られる経営者。
私達は常に経営者の傍らでその背を支え続けます。

 

 

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