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有事のルール−まとめ/その10「迫り来る法改正の荒波−5」

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有事のルール−まとめ/その10
「迫り来る法改正の荒波−5」

●アベノ・ミクスの柱の一つである雇用制度改革。その骨子立案に深く関わってきたのが、経済財政諮問会議や産業競争力会議等の諮問機関である事は、今や公然の事実です。
「女性の積極的な活用」や「管理職への登用」など、セクハラ野次で図らずも馬脚を現すに至ったその空虚な内実とは裏腹に、字面だけ見れば真にもっともなスローガンが並べられているのもその一例でしょう。

 

●しかしながら、このようなキレイゴトには、当然ながらウラの事情と云うものが控えています。
少子化に効果的な歯止めが掛からず、人口減少が進む中、労働力を確保するには「女性」「高齢者」「外国人」「障がい者」以外、当面目ぼしい対策がないからです。

 

中でも、「女性」というキーワードは、ジェンダー(男女共同参画社会)推進に前向きな姿勢を示すものとして賛同が得られ易い上、家庭の収入増(シングルインカムからダブルインカム)=景気浮揚=税収増=財政好転という柳の下の泥鰌効果もあり、これからも多用されて行くだろうと思われますが、当の女性側からは比較的冷ややかな反応が多かった−という報道を見ると、為政者が笛を吹いても簡単には踊らない「冷静な市民」が増えている様子が実感できます。

 

●事前に盛んにアドバルーンを揚げ、結局、ギリギリになって見送りが決まった非課税枠規制(当局が云うところの「103万円のカベ」)撤廃も、上記の文脈に照らし合せて見ると、世論の動向を読み取り、政府が時期尚早という判断を下した結果と考えて間違いなさそうですが、実は「女性」より、むしろ最も意識されているキーワードが「外国」「外国人」ではないかと思われる節があります。

 

それをいみじくも表しているのが、「ファミリーフレンドリーで 云々」の件の一節ですが、特に外国人若しくは外資向けとは思えない改革目標の中にも、その色合いを強く反映させていると思われるメッセージが、いくつも隠されています。

 

例えば「長時間労働の抑制」等はその典型で、一見「過労死」や「ブラック企業問題」解消を目指す国内向け宣言の様な趣でありながら、その実、欧米先進各国からの、未だ長時間労働が解消されていないとの厳しい指摘に対して発した、”雇用制度改革の名を借りた婉曲な回答そのもの”ではないか、とする穿った見方も出ています。

 

●真偽の程は不明ながら、前回触れた「解雇規制」緩和の動きも、単に財界の要請が引き金というだけでなく、特に解雇規制の緩い、アングロサクソン系外資からの要望やロビー活動によるプレッシャーを相当受けた結果だ、とする説もあり、外資の動向が政権の死命を制するとされる状況を考えると、確かにこの説を裏付ける可能性のある事実も存在しています。

 

それが、改革特区(福岡)における外資の起業を促す「雇用マニュアル」で、日本の雇用慣行を解説しつつトラブルを最小限に抑えながら契約を終わらせる手順や解雇が有効とされた裁判例を列挙し、解雇が極めて難しいという既成概念の払拭に努めている様子が、手に取るように伝わってきます

 

この外にも「働きすぎの改善」という命題では、勤務時間の間に一定の休息時間を設けるインターバル規制=8時間の労働後は8時間の休憩を義務化する等の規制で、独・仏などの制度を丸写しにしたもの(産業競争力会議「雇用・人材部会」中間整理−25.12.26)=を取り上げ、前向きな検討姿勢をアピールしたり、「予見可能性の高い紛争解決システムの構築」というテーマにおいては、「現行法上無効とされている個別労働関係紛争に係わる仲裁合意や判決により金銭救済ができる仕組み等は、中小企業労働者の保護や外国企業による対内直接投資の機運を高めるとの期待もある」(同 中間整理)と、正直にホンネを漏らした記述も見られます。

 

当局の代理機関たる諮問会議の目論見と重点が、どこに置かれているかは言わずもがな、法改正にも第二、第三の黒船の影がチラつく事態になっているように思えてなりません。

 

 

 

有事のルール−まとめ/その10「迫り来る法改正の荒波−5」」

 

著者/

夏目 雅志  / 三友企業サービスグループ

常に決断を迫られる経営者。
私達は常に経営者の傍らでその背を支え続けます。

 

 

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