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「有事のルール」 その2の3

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有事のルール その2の3

注 <事例1>等につきましては、従前のレポートをご請求ください。

<事例2>の概要は、およそ次のとおりです。
疲労感の滲んだ面持ち、言葉数の減少、時々起こる作業の中断、集中力を欠いた反応など、同僚の体調不具合を感じさせる日常の様子を心配して寄せられた周囲の声を受け、管理者は状況を直接把握すべく、直ぐさま面談の場を設定、直近の健診データを参照しながら、数回にわたって事情聴取を行った。

 

その折、既往症再発の可能性について言及してみた処、それに関する自覚症状はなく、又この数ヶ月、何がしかの疾病による受診歴もない、とのことだったが、質疑を重ねるうち、本人の口から、このところ疲労感が強く急速に勤労意欲が失われてきた旨がようやく吐露されるに至った為、しかるべき善後策について検討を行った。
本人の希望もあり、暫く勤務を外し休職扱いとする事となったが、症状から「ウツ」 の可能性も否定しきれず、内科検診と併せ精神科の受診を行うよう、強く促した。

 

             ***
当時本人は、大型重機や切断機を操作して他の同僚と共に鋼材の加工を担当するベテラン技能者であり、最少人員で回している関係もあって直ちに代替要員を確保するのは困難な状態にあった。会社は、同人の療養中、他部署より経験者を応援部隊として呼び寄せ、当座を何とか凌ぎながら症状の回復を待つ態勢をとった。

 

結局「ウツ」の所見は得られなかったが、内科的疾患が確認された為、2ヶ月程療養、頃合を見計らい、復帰時期を含め復職の可否を確認すべく連絡を取った処、家族から、退院の見通しは立ったものの、第一線に復帰して再起を目指す気力が 未だ回復していない様子である、との回答を得た。

 

そこで会社は、業務軽減の提案を行いつつ、復職に向け奮起を促したが、前向きな姿勢が見られないまま時間のみ徒過する次第となった為、ついに慰留を諦らめ本人の意思に委ねる旨伝えた処、間もなく退職の申し出が為されるに至った。

 

債権債務を全て清算した上での円満退職ではあったが、その僅か一月余り後、本件は「訃報」という思いもよらない結末で幕を閉じることとなった。
復帰をしていれば、正に営業時間の真っ只中、突然死に近い状態であったとか−

 

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もし重機操作中に事態急変となっていれば、同僚を巻き込む重大事故となった可能性もあり、元社員の死を悼みつつも、管理者は大いに肝を冷やしたそうです。
本例でも、都度都度提出された診断所見では、容態の重篤化や急変を多少なりと予見させる文言は一切見当たらない上、途中再入院の措置が執られたとは云え一旦は病状軽快、退院OKの判断が下されています。

 

これを見る限りにおいても、「診断書」は必ずしもお墨付きにはならない、少なくとも、頭から鵜呑みにして頼り切ってしまってはならない、と言えるのではないかと思われます。

 

             ***
 一方は状況判断を診断所見に優先させ、他方は所見は受け入れつつも当事者の意思を尊重する、というこれら対極的な事例が示しているのは、いみじくも既存の常識やこれまでのルールを一度リセットする必要があるという事に他ならないのではないでしょうか。だとすれば、私達が次のステージに求めるべきものとは−?

 

「有事のルール−その2の3」

著者/

夏目 雅志  / 三友企業サービスグループ

常に決断を迫られる経営者。
私達は常に経営者の傍らでその背を支え続けます。

 

 


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