FRPを産業活用するために必須の書類である材料規格(Material Spec)

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FRPを産業活用するために必須の書類である材料規格(Material Spec)

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FRPを産業活用するために必須の書類である材料規格(Material Spec)

はじめに

 FRPは繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics)という強化繊維と樹脂を組み合わせた、物理的に分離可能な2種類以上の材料を組み合わせて作る「 複合材料 」の一種である。絶縁材料として昭和30年代に活用が始まった湿式プリミックスから、航空、宇宙、自動車などへ展開が広がりつつある、といった本複合材料の適用の流れなどについては以前こちらの記事(http://www.kibanken.jp/nikkanbla/expert/category14/category58/cfrp.html)で紹介しているのでご一読いただきたい。

 

 一見するとFRPは昔から使われてきており実績があると感じる方がいるかもしれないが、ここで見逃してはいけない近年の動きは「適用製品範囲の拡大と該製品に関する要件の高度化」である。FRPで最も適用実例のあるものの一つである、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)の貯水タンクなどへの適用は、基本的に環境暴露はされるものの極端な荷重や振動がかかるといった状況下で使われることはなかった。

 

しかしながらGFRPも長線維化とマトリックス樹脂の高性能化が進んだことに伴い、欧州などでは自動車を中心として二次構造材にGFRPを使う事例も出てきている。またこれまで航空機や宇宙衛星関連、レース車両や超高級車のオプションパーツに限定されてきたCFRP(炭素繊維強化プラスチック)も状況が変わりつつある。汎用グレード炭素繊維の登場や短繊維化とランダム配向の実現、そして高速硬化の熱硬化性マトリックス樹脂や熱可塑性マトリックス樹脂と組み合わせることで、ある程度の量を作るという材料の基本条件が整い、一般的に言われる自動車の2次構造材に加え1次構造材への適用やその検討に加え、あまり表には出てこないが様々な業界における1次構造材にあたるキーパーツ、並びにその補助材料としてCFRPは既に適用が始まってきている。

 

 このように歴史だけ見ればそれなりの長さがあるFRPだが、ここ近年の適用事例拡大と要件の高度化(特に、高温環境使用や長期使用要件 等)に伴う材料の高性能化、多様化が進む一方で圧倒的に認知と運用が遅れているのが「材料規格」、いわゆる Material Spec とよばれるものである。材料仕様書ともいわれるこの書類に関しては内容をきちんと理解して作成できる人物が世界的にみても極めて限られていること、そして何より金属材料を基本とした慣習によって存在の必要性さえ理解されないケースも多々あることから、ここで今一度その必要性について述べてみたい。

 

CFRP

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吉田州一郎

著者:FRPコンサルタント 吉田州一郎

 

<略 歴>
東京工業大学工学部高分子工学科卒業後、ドイツ研究機関Fraunhofer Instituteでのインターンを経て、同大大学院修士課程(高分子応用研究)修了。
その後化学メーカーを経て日系大手機械メーカーの航空機エンジン部門にてCFRP部品設計開発業務に従事し、北米の航空機エンジンメーカーと協力しながら材料認定取得、部品量産ライン立ち上げを推進。本開発経験を踏まえ、マトリックス樹脂配合設計を中心としたCFRP材料研究を行い、海外科学誌で複数のFull paperを掲載させた。その後、FRP関連業界への参入及び該業界での事業拡大を検討する企業をサポートする技術コンサルタントとして独立。実践経験に基づき現在も川中及び川下企業を中心に、複数の顧問先企業の最前線で研究開発業務を先導、指示している。福井大学非常勤講師。
・著者のウェブサイト https://www.frp-consultant.com/

 

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