5 S 活動のはじめ方─5 S 委員の役割を決める

5 S 活動のはじめ方─5 S 委員の役割を決める

How to Start 5S Activities ─ Deciding the roles of 5S committee members
5Sを英語でどのように説明し、活動を定着させるのか――。
「かんたん」で「そのまま使える」フレーズを紹介します。5Sそのものについても同時に学べます。現地の従業員にも、納得してもらえる指導ができるようになるでしょう。
「整理、整頓・・・」「活動の仕方」など、5Sを総合的にカバーします。
成功へのワンポイントコラムでは、海外での導入に関するアドバイスや、英会話習得のちょっとしたコツもご紹介します。

 

2人の登場人物
アキラ(Akira): 日本から現地工場の指導に訪れたマネジャー
ジョン(John): 現地工場で、アキラから指導を受ける米国人の従業員
 ジョンとアキラは、工場で5S 活動を進めていきます。
 委員にはどんな役割があるのでしょうか。じっくりと会話を見てみましょう。

 

Akira:
When the committee is organized, we choose a leader and a sub-leader.
委員会が組織されたら、リーダーとサブリーダーを決めます。
 committee「委員会」、organize「組織する、編成する」、choose「選ぶ」。

 

John:
And maybe a secretary to take notes and records.
たぶん、ノートや記録をとる秘書もですね。
 maybe「おそらく、たぶん」。

 

Akira:
Yes, and a person to take photos.
はい。そして、写真を撮る人もです。

 

John:
A person to take photos?
写真を撮る人ですか。

 

Akira:
Yes , they record improvements . So somebody has to be responsible for taking photos.
ええ、彼らは改善(したこと)を記録するのです。そのため誰かが写真撮影を受け持たねばなりません。
 improvement「改善」、somebody「誰か」。be responsible for … が「…を受け持つ(…の責任を持つ)」の部分です。

 

John:
What’s the term of the committee members?
委員の任期はどのくらいですか。
 term「期間、任期」。

 

Akira:
Generally it’s one year.
通常は一年です。
 generally「普通は、大体」

 

John:
They have to become good role models for other employees.
彼らは、他の従業員のよいお手本にならないといけませんね。
 role model は、「role(役割)のお手本」=「模範的な人」という意味を表します。employee「従業員」。

 

Akira:
Yes, exactly.
はい、その通りです。

 

5S委員の役割と、必要な担当者について、海外の現場ではどのように伝えればよいのでしょうか。
 アキラとジョンは、リーダー、サブリーダー、秘書に加えて、写真を撮る担当者についても話をしています。ジョンは「写真を撮る人まで決めておくのですか」と、やや意外に感じたというニュアンスで聞き返しましたが、アキラは「写真撮影担当者は改善を記録する人なので必要」と述べて、担当者を決めておくものだと説明しました。アキラは他にも、委員の任期が1年であることなどを伝えています。
 海外で指導をするときには、アキラが話しているような基本的な事柄をしっかりと説明することが大切です。簡単なことだからといって曖昧にせず、できるだけ明確に伝えましょう。
教えられる側は、はっきりといわれるほど安心するものです。
 紹介している英会話フレーズは、シンプルで使い勝手のよいものばかりです。1つ目のWe choose a leader and asub-leader.や、5つ目のThey record improvements. といったセンテンスを確実にモノにしましょう。こうした簡単に見えるセンテンスを使いこなせるかどうかが、英会話ができるかどうかの境目です。マスターして応用できるようになると、英語を話すことが一層楽しくなってきます。

 

著者:松崎久純(まつざきひさずみ)
国際業務・組織マネジメントなどを専門とした経営コンサルタント。サイドマン経営・代表。企業におけるグローバル人材育成のコンサルティング・研修講師の経験が
豊富。著書に『ものづくりの英語表現 CD 付』(三修社)、『英文ビジネスレター& Eメールの正しい書き方』(研究社)など多数。