■何でも最初が大事なんや!道具に頼ってばかりではだめなのよ!

2011年3月11日に東日本大震災が発生し、原子力発電所の重大な事故により、公益への危機状況が生じました。そしてこのことにより「モノづくり」に対する安全・安心への意識の高まりは、更に大きなうねりを生じています。また、地球環境問題への気運は高く、「モノづくり」においては環境対応の視点が必須となっています。このため安全・安心や環境に配慮した製品を作るといった使命がより明確化してきています。

 

 「モノづくり」では、製品の初期の企画段階から顧客に出るまでのプロセスにおいて、多くの要求事項を製品仕様に反映することが求められます。
そのためモノづくりのプロセス(「企画−設計−製造−販売−顧客」)の「企画―設計」の段階で、「どのようなものをつくるのか具現化する作業」が必要であり非常に重要です。

 

これらのことから、いわゆる「上流設計」のウエイトが重くなり、モノづくりの推進役である技術部門での業務の高度化が求められているのです。
そして、技術者は、日々効率化、高度化した業務をこなすことに追われています。
また業務ツールであるCAD、解析ソフト、PLMの駆使を強いられた結果、「モノづくり」の基本的な“わざ”や“工夫”を体験することが少なくなり、熟考する時間を持つことが希薄になってきているように思います

 

本書では、この「上流設計」である企画・構想段階について、どのように取り組めばよいかをアドバイスしていきます。

 

今回、「知ってなアカン!シリーズ第3弾」として、「モノづくり」の技術者の立場を理解できる実践的なプロである技術士メンバーが、構想設計に必要な知識、手法を具体的な事例を通して体系的にまとめました。

 

各章の知識・手法に加え、事例を仮想体験することで、日々の疑問、悩みにもできるだけ役立つ内容としました。第1章「モノづくり現場の構想設計力」で設計に関する実務知識の学び方、第2章「商品開発力入門」で設計検証(DR)〜プロジェクト管理について、取り組み方を学びます。第3章「問題解決力入門」で、技術開発ではつきものであるアイデアの抽出の取り組み方を学びます。第4章「安全・安心技術力入門」で、設計では非常に重要であるFMEAなど信頼性の検証について学び、第5章「環境保全技術力入門」では、環境への対応、リスク低減を念頭に技術の取り組み方を学びます。また、将来モノづくりに関わることを考えている学生の方にも機械設計現場での苦労や面白さを体感できる内容を目指し、執筆したものです。

 

資源のない日本は「モノづくり」で世界をリードしてきましたし、今後もこの気運は継続していかねばならないと思います。江戸時代は、エレキテル、からくり人形、など「モノづくり」の根本を追及した時代でした。伝統工芸品なども、文化的にも独自性の高いものが数多く見られます。やはり、日本人の魂には、こういった「モノづくり」の基本的なDNAが刻み込まれているのでしょう。
より良い「モノづくり」を実現できるように、本書が少しでも役に立つことを期待しております。

 

知ってなアカン!機械技術者モノづくり現場の「構想設計力」入門前書きより抜粋〜

 


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