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今岡善次郎のドラッカー経営塾

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今岡善次郎のドラッカー経営塾

在庫が収益構造とチームワークの鍵を握ります。
人と人、組織と組織のつながり連鎖をどうマネジメントするかを念頭に現場と人から機会分析します。

『連携:こんな医師がたくさんいたら』

今岡 善次郎

こんにちは。今岡善次郎です。

 

今日はドラッカー流マネジメントからみて理想とする
2人の医師を紹介しましょう。

 

 

まず一人目。

 

平成20年7月25日東京都多摩市のパルテノン多磨大ホールで
NHKと読売新聞社主催の「認知症フォーラム」に参加しました。

 

 

長谷川式認知症スケールの開発者として有名な長谷川和夫先生の基調講演の後、

 

医師の新田國夫氏、ケアマネージャーの長澤かおる氏、家族会の大野教子氏
の3人をパネリストにして、NHKアナウンサー町永俊雄氏がコーディネーター
となってパネルデスカッションが行われました。

 

マネジメントの視点から見て、とても印象深かったのは
新田医師の仕事の姿勢です。

 

一般に医療業界では医師を頂点とする専門分野別の権威の
ランクがあるのはご存知ですよね。

 

そして患者を人間としてより、病気と言う肉体的異変の専門家
として成り立っている。

 

 

また患者と医師の関係は、本来、需要者と供給者の関係ですが、
顧客と事業者のように、顧客である患者が優位にないどころか、
逆です。

 

 

さて新田医師、
もともと病院の消化器外科として救急救命医でしたが、
「死なせない医療」から「生きるための医療」をやりたくて
開業医となり、患者の生活を見る医療を実践している。

 

 

目的がはっきりしている。
「認知症になっても残った感覚で人生を楽しませたい」

 

 

食べること、見ること、感じることで家族も喜ぶという。

 

 

はい、介護家族として涙がでるほど嬉しい。

 

 

医療業界の常識では、専門性に応じて
医師・看護士・介護士等序列がある。

 

 

ところが、新田医師は、目的から入ってやるべき仕事を考えている。
自分の専門だけで勝負しない。

 

 

家族だけではなく、別の専門家、日常患者を世話している、
介護士や、看護士から多くのことを学んだそうです。

 

 

患者とその家族の日常の困難に向き合っている。
「先生」という立場で高いところから見ない。
患者とその家族を顧客と考えているといってもいい。

 

 

同じ目線で心を通じあわせている。

 

 

食べることについては自分の専門ではない歯科の名医につなげて
本人にピッタリの入れ歯を作ってもらっている。

 

 

自分の強みとする医者としての専門知識を軸に、歯科医、看護士、
介護士、そしてケママネージャー、ヘルパーと協業する。

 

 

 

そして2人目の医師。

 

 

NHKフォーラムの2日後の昨日、7月25日、
四谷の上智大学のキャンパス内で開催された、若年認知症家族会
「彩星の会」での講演された松本一生先生。

 

 

演題「認知症介護家族と支援者の心のケア」

 

 

医師になって間もない頃、
認知症を病む妻を介護することに人生を捧げている夫を
褒めたそうです。

 

そしたら介護者は一層使命感を持って頑張った。

 

 

その結果が介護者は無理をして自律神経を壊して
虐待事件を生じさせてしまった。

 

 

それ以来、本人と介護者をセットでケアする
医療と介護と心理と連携する必要性を痛感したそうです。

 

 

医者は診断の後、不安のさなかにいる家族も含めて、
医療だけではなく、介護、社会支援の連携で、心のケアを
する必要があると自分の仕事に使命感を持たれました。

 

 

私は以前松本先生の本を読んで、
介護者としての姿勢維持に大変役立ちました。

 

 

医師としての使命や目標を病気という狭い対象にしていない。

 

 

専門の連携で患者とその家族に向き合う。

 

 

自分の専門と他の専門を連携させて、様々な専門家という人的
経営資源を顧客満足に効果的に変換する連携作業のマネジメント。

 

 

実はこれは私が、経営コンサルタントとして
専門としているサプライチェーンマネジメントの定義です。

 

 

サプライチェーンマネジメントのモデル企業は
世界の製造企業が学んでいる日本のトヨタ、
トヨタ式経営から出たセル生産で有名なキャノン等です。

 

 

私の解釈ではトヨタ式経営の特徴は、一般に言われるカンバン方式、
改善などではなく、社員一人ひとりが専門家であるとともに、
マネジメントの視点を持っていることです。

 

 

さて先に述べたNHKフォーラムでのパネルデスカッション。
パネリストのみなさん、このような連携の大事さを
議論されました。

 

 

町永アナウンサーの
「どうして、このような連携がうまくできないでしょうか?」
との質問に、

 

 

「医者の教育が十分ではない」

 

 

「志しの高い若い医者も『先生』と言われるようになって
高みに上ってしまう」

 

 

「目的よりも自分の専門、興味で仕事をする」

 

 

家族から見ると、医者や看護士、介護士、ケアマネージャー、
専門家で、認知症にともなう本人や家族の不安を本当に分っている
人があまりにも少ない。

 

 

新田医師や松本医師のような医療従事者のお世話になれる患者と
その家族は一握りの幸運者でしかないというのが
家族会での本音の議論です。

 

 

家族会は専門の医療者に遠慮して本音が言えない。

 

 

当たり外れの運次第で医療や介護がされているとしたら、
この分野こそマネジメントが必要ではないでしょうか。

 

 

マネジメントは人を幸せにする行為です。

 

 

マネジメントは科学でも学問でもない。

 

 

マネジメントは並みの人間組織に卓越する仕事を
させる方法である。

 

 

ドラッカーはそういっています。

 

 

どんな専門の仕事をしていてもマネジメントは
門外漢だからと言って逃げないで下さい。

 

マネジメントは目標とは何かを問い、必要な資源と
やるべき仕事を定義し、そして
共通の目標に向かって連携すること。

 

 

それが新田医師や松本医師がやったことです。

 

 

多くの医療専門家は新田医師や松本医師と同じような知識や
能力を持っているかもしれない。

 

 

その差はマネジメントをやったかどうかだけだと
言うことがわかりますよね。

 

 

また、次号で。

 

 

ドラッカー流マネジメント求道家
今岡 善次郎

 

 

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『3人の石工の話』

今岡 善次郎

こんにちは。今岡善次郎です。

 

創刊号多くの方に激励を頂き、ありがとうございます。
貴重な情報もたくさん頂きました。

 

次回以降に紹介させていただきます。

 

メルマガ第2回「3人の石工の話」をお送りします。

 

昔とあるところに
3人の石工がいました。

 

そこにある人が「君の仕事の目的は何かね?」と尋ねました。

 

一人目の石工は「これで飯を食っているんだ」と答えました。

 

二人目は「最高の技能を発揮しているんだ」と答えました。

 

三人目は「教会を建てているんだ」と答えました。

 

 

さて、あなたが、石工なら何と答えますか?

 

質問の意図は、どの石工がマネジメント視点で仕事をしているかと言う
点にあります。

 

「教会を建てるために石を切っている」
石工が仕事の目的を意識して、マネジメント視点を持って、
仕事に満足感を持って仕事をしていると言えます。

 

あなたがケーキ屋さんで働いているとします。
お客さんの見えない厨房で毎日毎日粉を煉っているだけであれば
面白くないですよね。

 

ケーキのレシピを知り、ケーキ作りのすべての作業を知り、
お客さんが注文して、美味しそうに食べているのを見るならば
仕事の改善をする機会もあり、そして仕事を通じて
内面が豊かになると思いませんか?

 

一作業者からマネジメントに関わったことになります。

 

現代の産業社会では、多かれ少なかれ仕事を細かく分解し、
一人ひとりに機械の部品のように
役割が求められてきました。

 

組織の目的を意識しない作業は人間の本質に反していると
言えます。

 

現代産業社会は、マネジメントや計画を、実務と分離して、マネジメントに
エリートの仕事という誤った解釈を持たせました。

 

このような解釈を、
食べることと消化することを別の人間に行わせている
ようなものだと、ドラッカーは辛らつに批判しています。

 

現場で働く人間も管理者も、
限られた機能に閉じ込められた人間性を解放するには、
組織が社会に貢献する目的を明確にして
効果的に目的を遂行マネジメントを
自分の仕事として知る必要があります。

 

マネジメントは特権ではない。

 

科学的管理法を生み出したフレデリック・テイラーは
仕事を分解して生産性を爆発的に向上させました。

 

しかし彼は働く人にマネジメントの目的である成果を問わなかった。

 

ドラッカーのマネジメントはテイラーを超える経営哲学です。

 

ドラッカーの考えでは、私も心からそう感じているのですが、

 

人間は本来、誰もが多様な能力を持ち、
貢献したいという本能をもっているのに、
現代産業の常識が人間を狭い領域に閉じ込めてしまったと言えるのです。

 

あなたが仕事を面白くないと感じているのならば、
多分、人の役に立つという自分の役割と位置づけに
確信がもてないからかもしれません。

 

自分の持っている能力を信じ、自分を解放し、
マネジメントの視点を持つことで、内面をより豊かにすることが、
できるかもしれません。

 

いろんな職場で、自分にも組織にも、下を向いて、
勤勉であることのみを求めないで、上を向いて
マネジメント視点持つことで働き甲斐が大きく増す
ことでしょう。

 

ケーキ作りの話をしましたが、
プログラミングの場合はどうでしょうか?

 

与えられたロジックのみをプログラミングする
プログラマーであるならば、
自分が担当するロジック以外のソフトウエアシステムの
アーキテクチャーを知り、そのソフトウエアを使う
ユーザーがどんな利便性を持ち、
さらにそのユーザーの業務が、
そのユーザーの属している組織の顧客に、
どんな満足を与えれいるかを知ることを
がマネジメントです。

 

マネジメントは肩書きではなく、どんな業務を担当していても
自分の属する組織が、外部の人に、満足感を持ってもらうには
何をどうするか「問う」ことと言えます。

 

ドラッカーに言わせると、そのような問いに嫌がる幹部、
真摯さに欠ける経営者はどんなに頭が良くても、良い人であっても
有害なだけの存在です。

 

分業体制が徹底している医療や介護の分野でも
マネジメントは重要です。

 

医師は診断し処方するだけ。

 

看護士は医学的管理するだけ。

 

介護士は食事や排泄などの身体介護するだけ。

 

患者の身体的な問題に自分の専門知識を応用するだけではなく、
病気や障害のある患者の人生の支援者として、
患者家族との関係において貢献することが目標として
運営されれば、その施設のマネジメントは成果を上げている
ことになります。そして経済的にもうまくいくでしょう。

 

難病を抱えた患者の家族会というのがあります。
ドラッカーの理想とするマネジメントの事例をしましょう。
「P・F・ドラッカー 理想企業を求めて」
(エリザベス・ハース・イーダスハイム、上田惇夫訳)

 

アメリカで難病のひとつ多発性硬化症(MS)の患者の一人だった
スコット・ジョンソン。

 

自分でベンチャー企業を経営していましたが、
自分が生きているうちに問題を解決すべく立ち上がりました。

 

医療研究の機関には、人のために組織でありながら、あまりにも
内向的かつ利己的だと思った。

 

その慣行を打破すべき彼は患者家族を結集しました。

 

学術研究では顧客の捉えかた間違っていると判断しました。
なぜなら研究の受益者は研究者本人と研究機関になっていたのです。

 

研究が患者の利益ではなく、論文数、補助金、ポストによって
評価される。優先すべきは助成金であり論文数だった。

 

研究者はお互い競争相手だから情報は共有しない。
だから研究が進まない。

 

ジョンソンはマネジメントの考え方を応用したのです。
マネジメントとはむずかしいことではない。
顧客はだれか、何をすべきかという基本的な問いを発することだけです。

 

結果一流の研究者を結集させてお互い協力させた。
家族会からは患者を頻繁に研究者に見させた。

 

そして研究の加速度がついた。
研究者も人を助ける行為に燃えた。

 

困難にある家族を同じ経験をした家族だから理解しあえるのです。
民主的に自主的に、家族が家族を救う場をつくるのも
マネジメントです。お互いに助け合うことで、
人を救い自分が幸せになれるような目的を
認識してやるべきことをする。

 

医療や介護の提供者ではなく、問題を抱えた、抱えていた
家族主体の家族会、小さく立ち上げました。

 

(ネット認知症家族会申し込み受けつけます。
http://www.bizdyn.jp/ninchishou/index.html

 

厚労省の役人の補助金を当てにして、
組織内の人間がしたいことではなく、
家族会の顧客は誰か、目的は何かを
問うことからマネジメントは始まります。

 

すなわち、組織が人に貢献することを通じて、
働く人が幸せになるために必要な行為がマネジメントです。

 

マネジメントは権力でもなく権威でも特権でもない。
そう説くのがドラッカーです。

 

いかがでしょうか?

 

マネジメントとは何か、
それは人間に関わりある重要なこと、
偉い人の特権ではないこと、

 

一人ひとりが、人間社会に貢献することで、内面を豊かに、
人として成長する場をつくること、
それがドラッカー流マネジメントです。

 

少しづつドラッカーを紐解いていきます。

 

なぜ私がドラッカーに入れ込んでいるのか、
お話させて下さい。

 

本日のメルマガ第2回、最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。

 

また、次号で。

 

ドラッカー流マネジメント求道家
今岡 善次郎

 

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メッセージお待ちしております。

 

 

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〜P.F・ドラッカーに学ぶ人生・企業・社会設計のすゝめ〜@

(経営コンサルタント)
★内面を豊かにするマネジメント革命★
〜P.F・ドラッカーに学ぶ人生・企業・社会設計のすゝめ〜
『妻が気づかせた使命』

 

みなさん、
こんにちは。今岡善次郎です。

 

今日から、新しいメルマガを発行することになりました。
私の昔からの、また、最近お付き合いが始まった友人であるあなたへ。

 

経営コンサルタントのクライアントとして、また、パートナーとして
一緒にお仕事をさせていただいたあなたへ。

 

若年性アルツハイマーの妻の介護していく中で、お世話になった家族会
のあなたへ。

 

介護や医療の分野で専門家として家族会のお世話して頂いているあなたへ。

 

セミナーや大学などで、私の講義を聞いてくれたあなたへ。

 

また、どこかでお会いし名刺交換させて頂いたあなたへ。

 

そして多くの、まだ面識はないけれども、これからお互いに「幸せな」
人生の追及をしていく、一生涯に通じてお付き合いいただける
かもしれないあなたへ。

 

今までの感謝の気持ちを込めて、

 

私生活で実体験として経験してきたこと、
仕事として学んできたことで、

 

あなたにお役に立てることがきっとあると信じ、
それをお伝えして行こうと思い、今回新たに
メルマガを配信することにいたしました。

 

それは、“妻の介護”という状況の中から、ある気づきを得たからです。

 

私の妻が若年性アルツハイマー病を発症して5〜6年になります。

 

日常の記憶を留めることも、食事も入浴も排泄も、日常生活は自分の
脳で手順を踏むことができません。

 

しかし、家族や友人との病院での面会では笑顔を見せ、レストランでは
ケーキやコーヒーを嬉しそうに楽しんでくれます。

 

在宅で介護している時、私が素材から作る、得意の麻婆豆腐を美味しそうに
食べてくれました。

 

まだ、残っている能力を精一杯見せてくれているのです。

 

それが、人間として生きて人生を楽しんでいる証だと思うの
です。

 

そしてその笑顔を見るのが私を喜びでもあります。

 

現代医学では不治の病、平均寿命8年と言われる難病だと言われていま
すが、人生を終える瞬間まで生きていることを楽しませるように人生を
設計してやることが、私の使命でもあり楽しみでもあります。

 

病気発覚からしばらく仕事もできず、在宅介護の辛い日々でした。

 

しかし、どんな障害があっても閉じこもらず、家族や友人や社会との絆を保つ
ことが、人を生き生きさせる。

 

家族や友人だけではなく、優しい介護士さんや看護士さん、
家族会の優しい人々との笑顔の交流が彼女を生きさせているのを見て
わたしがやるべきことが何であるのかを見出すことができました。

 

「人との関係の中で人間は存在する」という大切なことを、妻が気づか
せてくれたのだと思います。

 

人間は、組織や社会の関係性の中でしか存在しできないという本質を
持っています。

 

そして、これをマネジメントの原理として追及したピーター・F・ドラッカーの思想と
共通していたことに気付いたのです。

 

賢明なあなたは既にご存知かもしれませんが、
「マネジメント」とは、単なる企業組織の話だけでなく、家族も含め
あらゆる社会組織に対しても、志しのある人間を活かして効果的に人に貢献する
ために必要な姿勢であることを痛感したのです。

 

歴史の教えるところでは、
資本主義も社会主義も、経済を中心にした社会革命は人を幸せにすることに
成功しませんでした。

 

そのことを70年前から指摘し、2005年に没したドラッカーは
今もなお全世界で企業だけではなく、行政や
非営利法人のマネジメントに影響を与えているのはご存知の通りです。

 

ドラッカー初めての人のために、彼がどんな人か徐々に紹介していきますね。

 

人間の特質にあった一人ひとりの生き方、
組織のあり方が人を幸せにするのでしょうか。

 

そしてそれは人に関わるマネジメントの問題だと気づいたのです。

 

私は、使うことばは違うが、以下の4人の思想家の言っていることが
同じことを言っていると感じました。

 

■ピーター・F・ドラッカー
「マネジメントの目的は経済的なものではなく、人間的社会的な、組織
の外側にある成果を実現することである」

 

■成功哲学の創始者ナポレオン・ヒル
「成功とは、自分がして欲しいことを他人にしてあげるという黄金律に
したがって目標を実現することである」

 

■米国でもっとも成功しているマーケティング・コンサルタントとして
知られる、ジェイ・エイブラハム
「卓越の戦略とは、“自分”に合わせていた焦点を、“他人”に合わせ
ることである」

 

■松下幸之助や稲盛和夫など日本を代表する事業家に影響を与
えた思想家の中村天風

 

「自分の人生を建設せんとする意気込みが、やがて世界中の人間の人生
と建設することになる。世の中に貢献するのが事業の目的である」

 

4人に共通するメッセージとは何か?

 

マネジメントの目的、人間社会にもっとも必要なもの、
それは“自分”から“他人”への貢献ではないでしょうか?

 

もしかしたら別名「愛」と言われるものでしょうか?

 

あなたはどう思われます?

 

私なりに、妻の介護をきっけかに、人生について、ビジネスのあり方について、
いろいろと考えるきっかけになりました。

 

そして、ピーター・F・ドラッカーの洞察
「人間がかかわる組織は部分はなく、全体との関係でしか存在しない」
から人生とビジネス(会社)、そして社会とが、実は同一のものでは
ないだろうかと。

 

別々に考えていた「人生」「企業」「社会」が、同じ人間にかかわるもの、
求める究極の目標が人間の内面を豊かにすることじゃないかと。

 

還暦過ぎてから、ドラッカーに目覚め、
「人生設計・企業設計・社会設計」という
大きなテーマに取り組んで行こうと決意をしました。

 

アルツハイマー病になった妻が私に残りに人生の使命だと
言っているのじゃないかと。

 

10年前にサプライチェーンマネジメントと言う
簡単に言えば「チームワークのマネジメント」手法

 

を日本で始めて紹介し、
この分野で第一人者と言われることは光栄ですが、

 

実は無意識の中でドラッカーの影響を受けていることが分りました。

 

私自身がドラッカーから学んだこと、そして
今までサプライチェーンマネジメントの専門家しての経験から学んだこと
を、「人生・企業・社会」でどう活かしていくか、
考えを煮つめていくつもりです。

 

そして私が発信する情報から、あなたの
人生や仕事に、社会貢献に役立つ点があれば
とても嬉しく思います。

 

これから、このメルマガを通じて、どんどん情報発信して参りますので、
末永くお付き合いいただければ幸いです。

 

本日の創刊号、最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。

 

※本コラムは過去に「今岡善次郎ブログ:人を幸せにするマネジメント革命」及びメルマガに連載された原稿を再掲載しております。
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