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厚生年金基金の資産は足りていますか?

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厚生年金基金の資産は足りていますか?

厚生年金基金は国の年金制度ではありません。

 

御社が基金に加盟していたら、いますぐに財務状況を確認して下さい。

 

基金は御社が出資している事業、とお考えいただければ財務諸表も見る気になっていただけるかと思います。それは、基金は、本社が納付している保険料を元に運営されている年金保険事業だからです。
もし、基金に赤字が出ていたら、補填するのは当然、御社です。

 

基金の単年度収支については、私のコラム「厚生年金基金は会社が出資している1つの事業」
<リンク先:>
に詳しく書きましたので、ぜひご覧ください。

 

今回は、基金の資産について、ぜひとも確認していただきたいと思い、簡単な確認方法をお知らせいたします。

 

キーワードは、『最低責任準備金』です。
難解な言葉ですが、基金の資産が最低限この金額までは確保できていることが必要なものと理解してください。もう少し説明すると、基金は、国の厚生年金の一部を肩代わりしているので、基金から年金を受け取っている方は、厚生年金の一部と上乗せ部分(企業年金)を併せて受け取っているからです。従って、少なくとも、この厚生年金の肩代わり部分(代行部分)だけは、基金に現物の資産がなければならないことになります。

 

言い換えれば、代行部分は、国の年金部分ですから、年金受給者に対して、「資産が足りないのでもう払えません」とか、「年金額を下げさせてください」とは言えないということです。もう払えないという時は、解散するしかありませんが、その場合は、最低責任準備金の金額を全額国に返納することになっています。それなので、いま財務チェックしておく必要があるわけです。

 

ではどうやって確かめればよいでしょうか?
基金だよりに掲載されている財務諸表の内、バランスシート(貸借対照表)で確認できます。

 

最低責任準備金は負債勘定の側に記載されています。単位を確認して下さい。
千円単位だったり百万円単位だったり基金の規模によって違います。
その他、流動負債の金額もご確認ください。
次に資産の確認をします。バランスシートの資産の側です。
信託資産(固定資産などと表記してあるかもしれません)と流動資産の金額をご確認ください。
そして純資産の額を出して、最低責任準備金の額と比較します。
『純資産』=『流動資産』+『信託資産』−『流動負債』で計算します
もし、

 

『純資産』 < 『最低責任準備金』

 

となっていたら、基金の財務状態が大変な状態になっているということです。
つまり代行割れ状態です。

 

厚生労働省の調査(H23年度決算基準)では、全厚生年金基金の4割が代行割れしているとなっています。

 

なぜ代行割れしてしまったのかについては、いろいろな原因が考えられると思いますが、一つの大きなものとしては、市場が混乱したことにより、資産運用が計画通りにできていなかったことが挙げられます。(昭和の高金利時代と違って、いまは低金利ですから運用難の時代です)

 

AIJ事件は、こうした資産運用難による資産の目減りを何とか取り戻したい基金が頼った資産運用先だったと考えられます。つまり、最低責任準備金は、ここまで資産がなければならないという基金を運営していく上での最低基準ですので、基金としては代行割れ状態を放置できなかったと思料いたします。

 

今年6月公布の厚生年金保険法改正では、この代行割れ基金への対応を制定していて、来年4月以降5年間は解散しやすくなるようにさまざまな改正がされています。例えば、事業所間の連帯債務を除外する、積立不足の分割納付の延長(30年)など多様です。

 

解散か、脱退か、代行返上か、あるいは継続運営を選択するかはこれから検討するとしても、いますぐにできることは基金の財政検証です。

 

純資産が最低責任準備金を上回っていても安心できません。これからは保険料を払う人が減って、年金を貰う人がどんどん増えていく人口構成により、最低責任準備金はどんどん膨らんでいくからです。

 

弊事務所では、基金の財務分析サービス(簡易版)を承っております。ご関心をお持ちの場合はぜひお問い合わせください。

 

 

山本 臣治 / 山本社会保険労務士&FP事務所

昨今のより厳しい経営状況の中で、従業員の自助努力をサポートし、法定福利費を軽減できる可能性がある、選択型確定拠出年金制度(選択型401K 「年金くん」)のご提案をしています。

 

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